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「夏の終わり」
カレンダーが夏休み終了の2日前、8/30を示す頃、天道家からこんな声が。
「ふへ〜〜〜〜〜〜、終わった〜!!!!」
その声と共に床に寝っころがる男。
「今年はめずらしく1日余裕をもって終われたわね!」
そして、いつにもなくうれしそうな女の子の声。
「俺もやればできるんだなっ!」
「何言ってるのよ!いつもいつもぎりぎりまで、宿題ためこんで、手伝うこっちの身になってよね!!」
「はいはい、ありがとうございました〜、あかねちゃんっv」
「んなっ、なによその気持ちのこもってない言い方!喧嘩売ってんの!?」
「う、売ってねーよ、人が素直に礼をいってんのに、かっわいくねぇ〜・・・」
「何ですって〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
部屋の中を飛び交う、家具達。紛れも無い、いつもの二人だが、ここから少し違っていた。
「乱馬くんもあかねも近所迷惑よ〜、もう遅いんだからもうちょっと静かにね。」
階段の下から聞こえてくるかすみの声に戦いが終わった。
「「はぁ〜い、ごめんなさい〜!!」」
「早く寝なさいよ。おやすみ。」
「「おやすみなさい。」」
「・・・んもぅ、あんたの所為で怒られちゃったじゃない!」
「俺の所為かよ!?だいたいお前が・・・もう、止めようぜ。」
「・・・そうね、また怒られちゃうもんね。」
一言でこの二人を黙らせるかすみはやっぱりただ者じゃないと思う。
ふと時計を見るともう夜中の3時をまわっている。
ベットによりかかりしばし無言になる二人。部屋には時計の音しかしていない。
(・・・・チクタクチクタクチクタクチクタク・・・・・・)
その沈黙に耐えれなくなったあかねが口を開く。
「も、もう、夏休みも終わりね?」
あかねが横にいる乱馬を見上げながら言う。しかし何か違和感があることにあかねは気づいた。
(・・・・何だろう??)
「そうだな・・・あっという間だったように感じるな。ん?あかね?」
(何が違うの?分かんないけど絶対違う〜〜〜〜っ)
「あかねってば、どうしたんだよ?」
呼びかけても気づかないので、乱馬はあかねの顔を覗き込んだ。
「あかねー?」
「え?きゃあああああああああああ!!!!!」
「うわっ!!?な、な、なんだよ!!」
「ら、乱馬びっくりさせないでよ!!」
「な、びっくりしたのはこっちだぜ?いきなり黙っちまうかと思えば、人の顔見て叫ぶし・・・・」
(人の顔見て叫びやがって、かなり傷ついたんですけど・・・・)
「んで、どうしたんだよ?ったく・・・」
「え!?な、なんでもない!」
「そりゃないだろうが、あれだけ叫んどいて・・・」
(待てよ、俺の顔見て叫んだって事はもしかして)
「俺の事考えてたとか?」
(んな訳ねーか。)
「え"っ!/////」
「え?まじで?なんだ〜、なんかやらしい事でも考えてたのか?」
(バコッ)
「痛って〜〜〜、冗談に決まってるだろうが、この凶暴女!!」
国語の辞書が乱馬の顔面にHITした。
「あんたが変な事言うからでしょ!!ふんっ!」
「で、俺の何を考えてたんだよ!」
「だからね、乱馬なんかちがうなあと思って・・・・」
「は?俺が違う?どこが?」
?マークを頭の上いっぱいにとばす乱馬。
「それが分からないから考えてたんでしょうが。」
「別にどこも違わねーぜ?勘違いだろ。もう、遅いし寝るか?それとも、外行くか?・・・」
乱馬としゃべりながら立ち上がった時あかねはどこがちがうのかやっと分かった。もちろん乱馬の話は聞いていない。
「あっ!」
「な、なんだよ、嫌ならいいけど・・・」
今から外に出掛けようといった誘いが拒否されたと思い勝手に暗くなる乱馬。しかしあかねは聞いてはいない。
「乱馬!」
「あ"?」
「背伸びた?」
「へ?背・・・・?」
「そうよ、身長。」
「ん〜まあ、そりゃ伸びるだろうな、成長期だし。」
乱馬の言うとうり、この家にやってきた頃より、少なくとも5cmは伸びてるだろう。男子は高校の時が一番の成長期
一番近くにいるあかねが気づかない筈がない。
「そっか〜だからか。」
あかねはやっと胸のつっかえがとれ、笑顔になる。しかし乱馬には何がそんなにうれしいのか分からない。が、あかね
がうれしそうなところをみるとこっちもうれしくなってきた。
「本当だー、こうしてみると高くなってる!」
「うれしいのか?」
「べ、別に、そんな事は・・・」
「そっか〜あかねちゃんは、背が高くなってよりかっこよくなった俺を見て、惚れ直したって訳か!」
「そ、そんなんじゃないもん////それより!さっき何か言いかけてなかった?」
「あ?ああ、もう夜明けだし、夏休み最後の日だから、朝日でも見に行かないかな〜と思ってさ。」
「朝日?乱馬もたまには良い事いうじゃない?でも、乱馬が朝日?ぷっ・・あははははは・・・」
「い、行かないのかよ?////」
「行くわよ!」
「んじゃ、決まりだな!」
(ガラッ!)
「よっと。あかねそこにある袋もって来いよ!」
「え?これ?」
いつのまにかベットの隅に置いてあった袋を持ち上げる。
「そっ!ほら、早く!!夜が明けちまうぜ?」
「ま、窓から出るの?」
「当然!!皆起こしちまうだろ?」
「で、でも。」
(どうやって下降りろって言うつもり?)
「でもじゃない、とにかく来いって!」
「う、うん。」
「よいしょっ!」
とりあいず、屋根の上に出たあかね。
「これからどーすっっわ!!」
いきなり乱馬はあかねを抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこで。
「ら、乱馬何する、キャッ!!」
あかねに、有無言わさず抱きかかえたまま他の屋根へと飛び移った。
「舌噛むぜ、黙ってその袋抱えて、しっかりつかまっとけよ♪」
「うん・・・・////」
(なんかすごい機嫌良さそう。もしかして、これって計画犯!?ん?この袋は?にしてもまだ真っ暗だなぁ。
なんか眠くなっちゃた。あっ・・・乱馬の汗の匂い。なんか落ち着くなー・・・・・・)
「よしっ、着いたぞあかね。あかね?」
「くぅーくぅー・・・・」
「寝てやがる。まあな、徹夜だったもんな、ありがとな?あかね・・・」
顔を近づけようとしたその時・・・
「んんっ〜〜・・・・」
「!?!?!?」
「ふぁ〜・・・あっ??ご、ごめん寝ちゃったんだね。あっ、海だあ〜v」
目を覚まし腕から降りる。
「ん?どーしたの?」
「い、いや、なんでもねぇ。ほ、ほら、朝日だ・・・・」
「え?ほんとだ!!きれ〜い!」
眩しさに目を少し細めて見ているあかね。ほんとにきれいだ。
「ね。乱馬?」
「あ、ああきれいだな・・・////」
「どーしたの?顔真っ赤よ?大丈夫?あっ、そーいえばこの袋は何?」
「あっ、忘れてた。あかね、開けてみろよ。」
「?うん。」
(がさがさ・・・・)
「線香花火?」
「そ。お前好きだろ?それにな・・あっ・・・・」
「な〜に?教えなさいよー!」
「い、嫌だ!!とにかくやろうぜ、朝日が昇りきる前に!///」
「あっやし〜な〜?ま、いっかここに連れて来てくれた事だしね?」
そしてうれしそうに微笑むあかね。
(どきっ・・・・)
「綺麗だったね!朝日も、海も、線香花火もv」
「そうだな。」
「ねー、乱馬?やっぱりさっきの気になる・・・ってあれ?」
横を見るとそこに乱馬はいなかった。そして前から自分を呼ぶ声。
「あかね〜、置いてくぞ〜!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「へへ〜んだ、おめーがおせーんだよ!」
「何よも〜、さっきまで、あれだけ優しかったくせに〜。」
「なんだと〜!」
「なんでもな〜いっ!!」
「おい、こら待てって!」
「お腹すいちゃった早く帰ろっ!」
「・・・家まで走るか?」
「そーだね、競争、よーいどん!」
「え?ず、ずりぃぞ、待てよ!!!」
「やーだよーだv」
end.
おまけ
夏休みに入る前・・・・
「おい、乱馬しってか?」
「何をだよ?」
「夜が完全に明ける前に好きな人と朝日を一緒に見て、一緒に線香花火をする事ができたら、両思いになれるっていううわさ・・・。」
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