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夕食後、「勉強教えてくれ!!」と毎回のようにテストが近づくと焦って泣きついてくる乱馬と勉強をしていた。
最初は戸惑いながらも、一つ一つ、私の説明に素直にうなずき、
丁寧に公式に当てはめながら解いていたんだけど、時間が経つにつれて飽きてきちゃったみたい。
説明している私の横で鉛筆を起用にクルクル回して遊びだした。
・・・・・誰のためにやっていると思っているのよ。
「(バキッ!!)やる気ないなら部屋から出て行っていいのよ」
「う゛っ・・・・、き・き・き・聞いてるって。あはは〜・・・・」
あ〜あ。
お気に入りのシャープペンシルだったのに。
乾いた愛想笑いの乱馬の顔をひと睨みし、私はキレイに真っ二つに折れたシャープペンシルを拾う。
お値段はお手ごろ。
何よりとても書きやすい。
シンプルなデザインなんだけど、無地のボディにワンポイントに描かれているピンク色のお花模様がとてもかわいらしい。
私は白、ユカは水色、サユリは黄色。
先週一緒にショッピングに行った時にひと目みて三人が気にいったお揃いのシャープペンシル。
ユカ達になんて言えばいいのかしら??
ぼんやり思いながら折れたもう片方を拾おうとした。
すると、無意識に自分の横に飛んできたその折れた片方を拾おうとしたのかな??
私の指先が乱馬の指先と偶然出会っちゃった。
あっ・・・・。
それは刹那。
だけどその一瞬、乱馬の大きくてがっしりとした、だけどスラッっと長くてキレイな指先に見とれてしまった。
そして、目線は自然と指先からゆっくりと上に移る。
乱馬もきっと自然な流れでそうなったんだと思う。
見上げた目線の先で、今度は乱馬の瞳と出会っちゃった。
・・・・・・・。
不思議な感覚。
言葉が全く見つからない。
ううん、何も思い浮かばない。
どうしたのかな??私。
乱馬の瞳から目を逸らせない。
逸らせない??
違う。
私、見とれてる・・・・。
さっきの指先と一緒。
偶然出会ってしまった、間近にある乱馬の瞳に見とれてる。
乱馬の瞳に―――。
「「・・・・・・」」
きっと、コレも偶然に起きた出来事。
偶然が重なり合って生まれた出来事。
「・・・・・俺、後は自分でするよ」
「・・・・・うん」
パタン。
うっすらと感じる頬の熱を押さえるように両手で顔を覆いながら、
振り返ることなく静かに部屋を後にする乱馬の背中をずっとみつめたまま送り出した。
偶然が起こした出来事。
テスト勉強。
折れたシャープペンシル。
拾おうとした指先。
自然と出会った瞳。
今までだって何度となく起きていたコトだもの。
だけど、出会ってしまった指先が温かく私の指先を包み込んでくれた事、
出会ってしまった瞳が優しく見つめてくれた事、
そして、自然と重なった唇は必然的だったと信じたい。
そう、こうなる二人の関係は必然的だったと・・・。
「・・・・・シャープペンシル・・・・・」
一人座り込んでいる見慣れた静かな空間で、
割れた片方のシャープペンシルを、まだ頬の熱の余韻が残る手で拾いながらぽつりとつぶやいた。
テスト勉強。
ユカ達への言い訳。
指先。
瞳。
そして、乱馬のコトを考えながら、ゆっくりと。
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