【以心伝心】
 

 

 

それは、ある日、ある時の、
とてもささいな学校での、ある一日の出来事。




1時間目。

「やべ・・・。持ってねぇや。あかね、貸してくれ」

「はい」

あかねは定規を渡す。



2時間目。

「あれ?忘れちゃったのかな??乱馬ぁ、持ってる??」

「ほらよ」

乱馬は赤いボールペンを渡す。



3時間目。

「げっ!!そういえば机の上に置きっぱなしだった・・・・」

「っと思った。はい。朝、一階に降りるとき目に入ったから」

そういって、あかねは乱馬に昨日一緒にやった英語の宿題を渡す。



4時間目。

「あっれ〜〜??確かにカバンに入れたと思ったのに・・・・」

「お前、居間に置きっぱなしだったぞ」

そういって、乱馬はあかねにスポーツタオルを渡す。





昼休み。

「あ゛!!!忘れた・・・・。」

「貸して上げようか??お金。もちろん倍返しで♪」

「・・・・。お前はなびきかよ、かわいくねぇ」

「あ〜ら、そんなこと言うなら貸してあげないわよ」

「わ〜〜ったよ!!!貸してくれ。腹減ってんだよ・・・・」

「最初から素直にそういえばイイのに。はい。」

「ありがてぇ♪さってと昼飯買いに売店に〜」

「あっ!!そのお返しに、今日ちょっと付き合ってくれる??」

「ど〜〜〜せ荷物持ちに・・・だろ??」

「いいじゃない。だって・・・」

「今度は何を作る気だ??お前のそのバカ力なら一人で持てるだろ??」

「バカ力って・・・・。この事か〜〜!!!」



そして、乱馬ははるか彼方に飛んでいってしまった。



「何よ、あの態度。乱馬のバカ・・・・」



天高く飛んでいった乱馬に向かって、少々顔を膨らませながらあかねは呟いた。





5時間目。

「くそ〜、あかねのヤツ・・・。思いっ切り蹴りやがって・・・・」

がさごそカバンをあさる乱馬。

「はいっ。これ探していたんでしょ??言っておくけど、さっきのは乱馬が悪いんだからね!!」

「なんだよ、ホントにかわいくねぇなぁ・・・」

ぶつくさ言いながら乱馬はあかねからバンソーコーを受け取る。

「とにかく、今日は付き合ってよね!!」

強く念をおすと、乱馬は「へい、へい」と少々不満そうな顔でうなずいた。

「ったく・・・。どうせ失敗してもいいように大量に買い込む気だろ・・・。
 それにその料理を誰が食べると思ってるんだよ・・・・。人を何だと<ボゴッ!!>」

「聞こえてるわよ・・・・」





放課後。

「あかねぇ、今日ずっと見てて思ったけど、あんた達の会話って主語がないよね」

「えっ?」


帰り支度をしているあかねの元にサユリとユカが声をかけてきた。


「あっ、私も思った。よっく分かるわね」

「そうかしら?」

「しかも、しっかりお互いフォローしあってるってカンジだし」

「フォロー??」

「今日の宿題とかスポーツタオルとか・・・。気が利いてるじゃない、乱馬君も」

「それはたまたま同じ家にいるから・・・」

「そうね、一緒に住んでいるし、相手が何を望んでいるのか、言おうとするのか分かっちゃうんでしょ??」



そして二人は、あかねにもう一言だけ言うと、
顔を真っ赤にして固まってしまったあかねを残して、手を振りながら教室を出ていった。



「もう///。何言うのよ、二人は・・・・」

「何言われたんだよ??」

「らっ、乱馬!!!」

「どした?おめぇ顔が赤いぞ??」

「なっ、なんでもないわよ・・・。それより、早く行こ!!」

「おい、なんなんだよ・・・・」

そう言ってあかねは、不思議そうな顔をしている乱馬の袖を引っぱり、教室を出ていった。







『あかねぇ、今日ずっと見てて思ったけど、あんた達の会話って主語がないよね』


あかねは、先ほどの二人との会話を思い出す。


『そうね、一緒に住んでいるし、相手が何を望んでいるのか、言おうとするのか分かっちゃうんでしょ??』




そして、最後に、二人がいった一言。




『そういうの、以心伝心って言うのよ』

『そうそう。なんだかんだ言いながら仲いいわね、相変わらず』









「以心伝心・・・かぁ・・・・」

「は?以心伝心??なんだそれ??」

「ううん、なんでもな〜〜い!!」


あかねはくすっと微笑み、そして嬉しそうに乱馬の方を振り向いた。






「そうだ、乱馬ぁ」

「分かってるって。この前いった雑貨屋にも行きたいんだろ??凶暴女には似合わな<ドカッ!!>」

「あんたは一言多いのよ・・・」








それは、ある日、ある時の、とてもささいな・・・

でも、いつも目にする日常的な学校での、ある一日の出来事。



end

「イチコンテンツ」のジツサマから頂きました。日常的な2人のやりとりv「会話と行動で構成されたお話の中、『さりげなく仲がいい2人』を感じとれれば・・・」とのジツサマのお言葉なのですが、もうその通りですねーっ(≧▽≦) たとえラブラブ〜vな雰囲気を出していなくても2人の仲の良さがじんわりと出ていますvv奧の深い仲の良さ!そんな乱あだから、見ていて惹き付けられちゃうのかしら??ウットリ〜vv 本人達は気が付いていないけど理想的なカップル!ジツサマ、ありがとうございました!

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